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雑多な趣味のガラクタ小屋

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BRUFORD

BRUFORD



このバンドは、1975年から78年ごろに存在していた知る人ぞ知るスーパーバンドである。

KING CRIMSONが、1972年に解散してから、BILL BRUFORDが初めて自分のソロプロジェクトとして立ち上げたのが、このBRUFORDなのである。
ライブ盤を含めて計4枚のアルバムを世に送り出しているが、1枚目はBILL BRUFORD名義のソロ作の扱いとなっている。
このバンドでの音楽性は、後々いろんなところで垣間見ることが出来る。
例えば渡辺香津美の「SPICE OF LIFE」シリーズ(計2枚)は名義は渡辺香津美であるが、曲そのものの作りは、このBRUFORDのそれとの共通点が多い。ギターとベースのユニゾンのリフやリズムなど、リズム隊が同じこともあるけれど(BASSはJEFF BERLIN)かなり曲作りに関わっているようだ。

【FEELS GOOD TO ME】(1977)
BILL BRUFORD = drums & percussion
DAVE STEWART = keyboards
ALLAN HOLDSWORTH = guitar
ANNETTE PEACOCK = vocal
JEFF BERLIN = bass
KENNY WHEELER = flugelhorn

① BEELZEBUB (BRUFORD)
② BACK TO THE BEGINNING (BRUFORD)
③ SEEMS LIKE A LIFETIME AGO (PART ONE) (BRUFORD)
④ SEEMS LIKE A LIFETIME AGO (PART TWO) (BRUFORD)
⑤ SAMPLE AND HOLD (BRUFORD/STEWART)
⑥ FEELS GOOD TO ME (BRUFORD)
⑦ EITHER END OF AUGUST (BRUFORD)
⑧ IF YOU CAN’T STAND THE HEAT.... (BRUFORD/STEWART)
⑨ SPRINGTIME IN SIBERIA (BRUFORD/STEWART)
⑩ ADIOS A LA PASADA (GOODBYE TO THE PAST) (BRUFORD/PEACOCK)

produced by ROBIN LUMLEY & BILL BRUFORD

このアルバムが、BRUFORD自身E’Gレコードと契約して初めて制作されたものである。
1974年にKING CRIMSONが解散してからBRUFORDはセッションワークを続けていた。参加していたのは、ゴング、パブロフズ・ドッグ、ナショナル・ヘルス、ブランド X,ジェネシスなど錚々たるバンドを渡り歩いている。(余談だがゴングは結局ギャラを払う見通しがなかったためにリハーサルのみである)
そして、1977年にE’Gレコードと契約してソロアルバムとしてこの作品を発表する。メンバーは元ハットフィールド&ザ・ノースで、ナショナルヘルスではBILLとも競演したDAVE STEWART(ユーリズミックスの人とは別人です)、JAZZ界での活動が主だったALLAN HOLDSWORTH、そしてアメリカ人のJEFF BERLINである。
しかし作曲者のクレジットを見ても解かると思うが、あくまでもこのアルバムはBILLのソロ作なのだ。よってこの4人のほかにアディショナル・プレイヤーがいる。ナショナル・ヘルス、コロシアムⅡ、後にホワイト・スネイクのNEIL MURRAY、ブランド XのJOHN GOODSALL、女性シンガーのANNETTE PEACOCK、ジャズ・トランペッターで作品中ではホーンのKENNY WHEELERである。
この頃から、80年ごろまでBILL BRUFORDはロートタム(反響させるための胴のないタム)を使用している。そのためアタック音がストレートに聴こえる独特の音を聴くことが出来る。

【ONE OF A KIND】(1979)
BILL BRUFORD = drums
ALLAN HOLDSWORTH = guitar
DAVE STEWART = keyboards
JEFF BERLIN = bass and vocals

①HELL’S BELLS (STEWART/GOWEN)
②ONE OF A KIND-PART ONE (BRUFORD)
③ONE OF A KIND=PART TWO (BRUFORD/STEWART)
④TRAVELS WITH MYSELF-AND SOMEONE ELSE (BRUFORD)
⑤FAINTING IN COILS (BRUFORD)
⑥FIVE G (BERLIN/STEWART/BRUFORD)
⑦THE ABINGDON CHASP (HOLDSWORTH)
⑧FOREVER UNTIL SUNDAY (BRUFORD)
⑨THE SAHARA OF SNOW-PART ONE (BRUFORD)
⑩THE SAHARA OF SNOW-PART TWO (BRUFORD/JOBSON)

produced by BILL BRUFORD

前作「FEELS GOOD TO ME」の後、BRUFORDはKING CRIMSONのときの同僚、JOHN WETTONとEDDIE JOBSON、ALLAN HOLDSWORTHと伝説のグループ「UK」を結成するが、1枚のアルバムとライブをやった後、音楽性の相違からBILLとALLANが脱退し、「BRUFORD」として再結集する。
このバンドの面白いところは、4人が4人ともリード楽器のようにプレイしていることである。随所に各人のソロが入ってくるが、インプロビゼーション的であるが、決して曲からはみ出していない絶妙なバランスの上に構成されている。引きどころも心得ていて、ALLANの特徴でもあるのだが、バッキングではあたかもキーボードと見紛う様な美しいバッキングである。うねるような手数の多いベースラインと一種独特なフレージングのドラムとの融合によって構成されるリズムの数々。曲の要として流れるようなコード進行と、時に爆発的に、また優美さを併せ持ったソロを奏でるキーボード。
まさに4人が持てる技術と音楽性を遺憾なく発揮した1枚となっている。
惜しむらくはこの4人による作品が、これっきりだと言うことである。

【GRADUALLY GOING TORNADO】(1980)
BILL BRUFORD = drums & cymbals
DAVE STEWART = keyboards
JEFF BERLIN = bass & lead vocals
the unknown JOHN CLARK = guitar

①AGE OF INFORMATION (BRUFORD/STEWART)
②GOTHIC 17 (BRUFORD/STEWART)
③JOE FRAZIER (BERLIN)
④Q.E.D. (BRUFORD/STEWART)
⑤THE SLIDING FLOOR (BRUFORD/STEWART/BERLIN)
⑥PALEWELL PARK (BRUFORD)
⑦PLANS FOR J.D. (BRUFORD)
⑧LAND’S END (STEWART)

produced by RON MALO AND BILL BRUFORD

ALLAN HOLDSWORTHが脱退し、変わりに新人の(写真を見るととても新人とは言いがたいが)JOHN CLARKが参加している。しかし彼の扱いが酷いね、「the unknown」はないよね、それも裏ジャケットに。
英国は階級社会だってことを痛感させられる、こういうところで。しかしJOHNはテクニック的にはまったく問題ないと思う。ギターの音をALLANのものと意識的に同じように作っているようではあるが、よく聴いているとやっぱりジャズの人なのだということがよくわかる。
ALLANが抜けたことにより、フュージョン的な曲調になっているような気もする。冒頭にも述べたように、このアルバムではキーボードとベースのユニゾンのフレーズが随所に使われている。そしてベースソロが比率を増しているのだ。アコースティック・ピアノがより多くフィーチャーされていて、よりソフトな感じになっている様に思う。
しかし、最後の曲の「LAND’S END」は、NATIONAL HEALTHの曲と言っても差し支えないような感じの曲です。
そしてBRUFORDとしてはこれが最後のアルバムとなります。
なぜかと言うと、この翌年には"DISIPLIN"KING CRIMSONが復活することになるからです。


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